実車について:
1939年秋、欧州で戦争が勃発。
HD社とインディアン社はともに連合軍から軍用車供給の命を受けました。
HDは過酷な使用を考慮して、45cu.in.DLDをベースに
陸軍用低速ギアや強化エアクリーナー、アンダープロテクターを装備した軍用マシーンを用意。
それがこのWLA(rmy)です。
頑丈で重い装備やロウギアのため、最高速は50mph程度であったこと。
またチェーンがはずれやすいとか、最低地上高が102mmと低く不整地走行が困難なことなど
多くの問題がありましたが、8万台を超えるWLAが
米、英連邦、ソ連、中国、そして南アなどの連合軍各国で使用され活躍しました。
戦争末期には日本との島々での戦いになり、ジープにその役を譲ったため
1945年夏には1万5千台を超えるWLAが軍から放出されたということです。
製作:
キットはイタリーESCIのWLA45です。
第1作のタミヤのパンヘッド風改造から、本格的なパンヘッドを作ろうと思い立ち
大昔のレベルの1/8を持ちだしてチャレンジしたのですが
スプリンガーフォーク自作が難しくてあえなく挫折。
参考にと思って作ったのがこの作品です。
あまり凝らずにさらりと作るつもりでいましたが、やはり気になる個所は多く
あちこちに手を入れてしまいましたね。
ウインドシールドのキャンバスやリアの革バッグは省略。嫌いなんです。
でも今思うとトンプソン軽機銃のカバーは革で作っておけばよかったな・・・と。
仕上げ:
バイクモデル専門になる以前は軍用車輌を作っていた時期もあり
汚しや錆はお手の物?
焼いたドライバーで、ぶつけてひん曲がったフェンダーやキャリアを表現した後は盛大に汚します。
第1作以上にベタベタ汚し、赤錆を載せていきます。
いやー随分錆びちゃったな。
本当にこんな錆びたり汚れたりした軍用車があったら責任者は上官から大目玉でしょうが
これも模型の世界ならでは許される(と思う?)表現です。
キットについて: 
ESCIのこの軍用バイクとその金型を使った民間型バイク・シリーズは 
20年ほど前に日本でも発売されました。

シリーズにはこのWLA45の他、
後ほど登場するトライアンフ3HW、BMW R75サイドカー付、
ツェンダップ、それにケッテンクラートまでがあり、
ハーレー、トラ、BMWは一部金型を修正した民間型も登場していました。
いずれもデッサンの良さ、モールドの精密さ、組立しやすさは素晴らしいもので、
最初に作ったときは感激しました。

アメリカではERTL社が代理店だったようで、ダブルネームのものが多く、
その後、英国AURORA社の販売も並行して行われ、
ドイツではなんと 
独レベル社が販売するなど、金型も転々としたようです。

今では香港のDRAGON社からBMW R75とZUNDUPの軍用モデルだけが 
日本でも販売されています。
売れてくれればこのハーレーやトラも復活するかもしれませんが、
マイナーなバイク模型の世界ではちょっと期待薄ですね。
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